下の左辺のような根号の中に根号がある2重根号を右辺のように簡単にする方法がある。
6+5=2+3
▼ 2重根号を簡単化する公式
(a+b)+2ab=a+b
▼ マイナスのパターン
(a+b)−2ab=a−b
ただし、a>bです。平方根ではa2=∣a∣という性質があるため。
なぜこんな簡単な形になるのか不思議に思ったが、導出してみると凄く納得できた。
2重根号をはずして簡単にする公式の導出
これを導出するためには、中学で習った2次式の展開(a+b)2=a2+2ab+b2を利用します。
a, bをそれぞれ平方根とすると
(a+b)2=a+2ab+b=(a+b)+2ab
となって、2重根号の中の形になる。
つまり、2重根号は
(a+b)+2ab=a+2ab+b=(a+b)2=∣a+b∣=a+b
このような導出を経て簡単な形になります。
マイナスの場合
マイナスの場合も同様に導出してみます。
(a−b)2=a−2ab+b=(a+b)−2ab
これを知っとくと符号の関係が覚えやすいし、忘れてもすぐに確かめられます。
2重根号を導出してみる。
(a+b)−2ab=a−2ab+b=(a−b)2=∣a−b∣=a−b
ただし、平方根ではa2=∣a∣という性質があるためa>bです。
練習問題
(1)
5+26
(2)
9−45
(3)
4+15
答え
(1)
5+26=(2+3)+22⋅3=2+3
(2)
9−45=(5+4)−25⋅4=5−4
45 を 25⋅22 と考えると 25⋅4 の形になる。
(3)
4+15=28+215=28+215=2(5+3)+25⋅3=25+3=210+6
中の根号が2abの形にならなかったら22をかけちゃおう。
分子の2重根号を外してから有理化する。
参考
問題が被らないように数値を変えてます。
おわりに
2重根号の外し方を初めて知ったので勢いでこの記事を書いた。
ちょっと高専の数学事情を書いてみる。
高専出身なのでチャート式の1-Aを初めて読んで、充実というか問題のパターンの多さに驚きました。
この2重根号とかユークリッドの互除法とか習わないし、3次式や集合は教科書に載ってない。
受験への備えの比重が大きそうだけど、数学的な概念は高校数学の方が深く学べそう。
その代わり高専だと、最初の教科書の2章目で平方根と複素数を扱ったり、行列だけの教科書があったりと、重要な概念は早めに広く抑えて専門の教科で応用しまくってるスタイルだった。1,2年でたぶん高校数学の範囲を終えて電気・電子回路や情報処理とかですぐ利用してるので、合理的な気もする。複素数と微積分は位相とか伝達関数とかでをよく使うし、ベクトルは空気だった。
学校や学科によっても違うと思いますが、10年以上前の岐阜高専の電子制御工学科はそんな感じでした。シラバスで雰囲気が伝わるかも。
ってことでチャート式の1-Aを新鮮な気持ちで読んでます。
コラムが充実しててすごく面白い!